トン・コープマン(パイプオルガン)
オランダ、ズヴォレ生まれ。アムステルダムで、クラシック音楽教育を受け、オルガンとチェンバロ、音楽学を学び、両方の楽器で優秀賞を獲得している。古楽器に魅了され、文献学的な演奏方法に惹かれたコープマンは、特にJ.S.バッハを中心としたバロック音楽の研究で、オーセンティックな演奏の第一人者と呼ばれるようになった。
オルガンとチェンバロ奏者として、世界中の有名なコンサートホールでリサイタルを行っており、これまでに数々のヨーロッパの歴史ある美しい楽器を演奏してきた。レパートリーは幅広く、チェンバロ=オルガン奏者としてルネサンスから古典派の作品を演奏し、アムステルダム・バロック管弦楽団・合唱団との演奏ではバロックと古典作品を深く掘り下げ、指揮者としてモダン・オーケストラとの演奏では、初期ロマン派の作品も採り上げている。
最近では、客演指揮者として世界の一流オーケストラに招かれることが多く、これまでに、ベルリン・フィル、ニューヨーク・フィル、ミュンヘン・フィル、シカゴ響、サンフランシスコ響、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、バイエルン放送響などと共演している。
コープマンの意欲的な活動の中でも、バッハ・カンタータ全集の録音は大事業として、ドイツ・シャルプラッテン・ベルリンのECHOクラシック賞やBBC音楽賞、エクトル・ベルリオーズ賞などを受賞、またグラミー賞やグラモフォン賞にノミネートされた。
国際ディートリヒ・ブクステフーデ協会の会長を務め、2012年には、リューベック市のブクステフーデ賞とライプツィヒ市のバッハ賞、2014年には英国王立音楽院のバッハ賞を受賞した。