ベルナール・フォクルール(パイプ・オルガン)
1953年ベルギー・リエージュ生まれ。1970年代半ばよりオルガニストとして国際的な活躍を開始し、ルネサンスから現代までの幅広いレパートリーを演奏している。数々の作品を世界初演すると同時に、歴史的楽器でJ.S.バッハのオルガン作品全曲をはじめ、オルガンの名曲の録音を行っている。
1980年代に入り、リチェルカール・コンサートのメンバーとして、主にドイツ・バロック音楽を取り上げてきた。近年は、コルネットのヴィルトゥオーゾのジャン・トゥベリなどのソリストとコンサートを定期的に行っている。
ソリストとしてのCDリリースは40枚以上にのぼり、1982年~1997年にかけて、リチェルカール・レーベルにJ.S.バッハのオルガン作品全曲の録音を行った。この録音のために、最も美しく保存されている歴史的オルガンを使用している。以降、シャイデマン、ブクステフーデ、トゥンダー、ヴェックマン、ラインケン、ブルーンスなどの北ドイツ楽派の作品を多く取り上げてきた。2006年11月には、ブクステフーデのオルガン作品全曲を収めたCDをリリースし、翌年ディア・パソン賞、シャルル・クロ賞などを受賞した。
ソロ・オルガン・リサイタル、室内楽とともに、他ジャンルとのコラボレーションにも積極的に取り組んでおり、2008年10月にはフランスのトゥールーズで振付・舞踊家のサルヴァ・サンチスと共演(初演)した。
またオーストラリアの映像作家リネット・ウォールワースとのコラボレーションプロジェクトである「暗闇と光」は現在彼の活動で最も注目されている。
オルガニストとしての活動を続ける一方、1992~2007年にブリュッセル王立モネ劇場総裁を務めた。2007年には、エクサン・プロバンス音楽祭の芸術監督に就任した。現在、ブリュッセル王立音楽院教授。作曲家としても活躍しており、オルガンと室内楽のための作品などを作曲している。