ジョナサン・ノット(指揮)
ジョナサン・ノットは2011年10月定期/川崎定期演奏会におけるラヴェル「ダフニスとクロエ(全曲)」などを指揮して東京交響楽団にデビュー。この共演が決定的となり、翌 2012 年 10 月には次期音楽監督の就任を発表。2014年度シーズン東京交響楽団第3代音楽監督に就任する。
1962年イギリス生まれ。ケンブリッジ大学で音楽を専攻し、マンチェスターのロイヤル・ノーザン・カレッジでは声楽とフルートを学び、その後ロンドンで指揮を学んだ。ドイツのフランクフルト歌劇場とヴィースバーデン・ヘッセン州立劇場で指揮者としてのキャリアをスタートしオペラ作品に数多く的取り組む。1997 年~2002 年ルツェルン交響楽団首席指揮者兼ルツェルン劇場音楽監督、2000 年~2003年アンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督(2004 年~06 年は客演指揮者)を務め、2000年よりドイツ・バンベルク交響楽団の首席指揮者に就任。
2010 年、同オーケストラとのCD「マーラー交響曲第 9 番」を世界で権威あるフランスの Midem 音楽賞最優秀交響曲・管弦楽作品部門賞受賞へ導き、オーケストラの知名度を一躍広めた。古典から現代曲まで幅広いレパートリーと抜群のプログラミングセンスを持つノットは、その多岐にわたる活躍が評価され、2009 年バイエルン文化賞が贈られた。バンベルクで開催される「マーラー国際指揮者コンクール」も統括している。
バンベルク響とはザルツブルク音楽祭、BBC プロムス、エジンバラ音楽祭、ボン・ベートーヴェン音楽祭等、世界中で定期的にツアーを行っており、2006年からはベルリン芸術週間にも定期的に出演し、バートウィスル、ノーノ、ブーレーズ、フェルドマンなどの現代音楽作品を演奏している。2013 年のルツェルン音楽祭 75 周年では、ワーグナー≪ニーベルングの指環≫全曲を演奏会形式で上演し大きな話題となった。
さらにベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ニューヨーク・フィル、シカゴ響、ロサンゼルス・フィル、フィラデルフィア管、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、バーミンガム市響、チューリヒ・トーンハレ管、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ドレスデン・シュターツカペレ、バイエルン放送響、サンタ・チェチーリア管など世界一流オーケストラと数多く共演。2014 年 1 月にはイタリア・バーリにおいて R.シュトラウスの「エレクトラ(新演出)」を指揮した。
レコーディング活動においてもノットの多彩な才能が生かされており、ベルリン・フィルを指揮したリゲティの作品全集(Teldec)や、アンサンブル・アンテルコンタンポランとのエマヌエル・ヌネス作品集、ラッヘンマン作品集、ジョン・アダムズの DVD、クセナキス、ベリオほかの作品集といった現代作品や、バンベルク響とのマーラー、ブルックナー、シューベルト、ストラヴィンスキーの作品(Tudor)をリリースしている。
教育活動にも熱心で、2014 年秋にはユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者兼芸術顧問に就任するほかマーラー・ユ-ゲント管とは 2015 年にツアーが予定されている。カールスルーエとルツェルンの音楽院でも教鞭をとっている。