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オルガン音楽の可能性を聴く―「オルガンの未来へII」

2016.01.17

From_Muza

ホールアドバイザー松居直美の企画による、現代に生きる作曲家たちのオルガン音楽を紹介する「オルガンの未来へ」コンサート。第2回となる今回は、ホールオルガニストである近藤岳が演奏します。打楽器奏者菅原淳氏との共演に斉木由美氏への委嘱作品など、2回めも意欲的な作品が並びます。オルガン音楽と言えばバッハぐらいしか聴いたことがないという方にも、現代のオルガン音楽をお聴きいただくことで新たな発見があり、ひとつの楽器の無限の可能性を感じていただくことができると考えています。
このコンサートに寄せて、3人の音楽家からのメッセージをお贈りします。

松居直美
ホールアドバイザー 松居直美
 音楽は、時代と共に様々な方法を獲得し、時代の伝えるものを表現して来ました。天上世界の調和と美。怒りや苦悩、憧れ。生の不条理と希望。作り手はいつも音楽に可能性を求め、演奏者は常に感情を汲み取ろうと、曲と対峙してきました。
「オルガンの未来」第二回は、ホールオルガニスト・近藤岳さんが出会った「今」の響きをお聴き頂きます。同時代を生きる作曲家たちにどのように彼がどう向き合うのか、どのような感情が浮かび上がってくるか、私たちは何を受けとめるのか、楽しみです。是非、聴きにいらして下さい。

近藤岳
ホールオルガニスト 近藤 岳
 ゲンダイ音楽・・・それは僕にとっていつも、サスペンスや映画「13日の金曜日」を連想させる、怖くて不安を駆り立てる音楽でした。そのイメージを全く変えてしまったのが、八村義夫氏のピアノ曲「彼岸花の幻想」です。その時僕は高校生でした。緊張感を強いる鋭い響きがずっと続く曲なのですが、終盤、その中から突然うっすらとニ長調の美しい和音がこんなに美しく、切なく感じられるなんて。そして前後の前衛的な響きとの差に愕然とすると同時に、そこに描き出された強い感情に心を揺さぶられました。そうか、前衛的な響きでこそ描ける感情があるんだ! ゲンダイの音は、実はすごいパワーを持っているんだ! とひらめいた瞬間でした。この出会いは今でも忘れられない、僕にとっての原点です。
 このコンサートに選んだ作品は、現代の音が現代の様々な感情を、それぞれのやり方で表現しています。それを皆さんが思い思いに感じ、楽しんでくださったら、こんな嬉しいことはありません!

斉木由美
作曲家 斉木由美
Die Mutter/母たち(2015年ミューザ川崎シンフォニーホール委嘱作品)
 「Die Mutter」は、ドイツの女性美術家ケーテ・コルヴィッツによる同名タイトルの版画作品から着想を得ています。
 昨年、没後70年を迎えたコルヴィッツは、貧しい人々の生活や戦争に対する女性や母の苦闘を多くの美術作品に遺しました。
 今回の新曲は、母をテーマにした複数の版画作品等から得たいくつかのイメージをもとに、人間が持つ普遍的な精神を、断章形式のオルガン音楽にしてみようと思いました。優れたオルガニストの近藤さんが、ミューザの素晴らしいオルガンでどのように表現してくださるか、今からとても楽しみにしています。

ホールアドバイザー松居直美企画「オルガンの未来へⅡ」
2016. 2.11 (木)

14:15プレトーク
15:00開演

出演/
パイプオルガン:近藤岳
ティンパニ:菅原淳

曲目/
斉木由美:ファンファーレ ~カンティクム クレアトゥーレ(被造物の賛歌)~
(2005年愛知県文化振興事業団委嘱作品)
近藤譲:ノヴィタス・ムンディ ~オルガンのための~ 
M.ラドゥレスク:《リチェルカーリ》 
鈴木輝昭:コンドゥクトゥス ~オルガンとティンパニのための~ 
斉木由美:母たち(2015年ミューザ川崎シンフォニーホール委嘱・新作)

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