ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団公演迫る!(ソロ・ヴィオラ奏者 加藤順也さんインタビュー)
2015.05.16
5月31日に迫ったザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団ミューザ川崎公演。
同管弦楽団に在籍されている日本人奏者、加藤順也さん(ソロ・ヴィオラ奏者)に、インタビューさせていただきました!
日本を離れてモーツァルテウム管弦楽団でお仕事をされてすでに20年と伺いました。ザルツブルクはどんな街ですか?
コンパクトにまとまった街、そして調和のとれた山と湖が素晴らしいです。
ザルツブルクでの仕事は基本的には、オーケスター・ハウス(オケの練習場)、祝祭劇場(3つホールがあります)、州立劇場、そしてモーツァルテウムの大ホールのいずれかでしていますが、どこへ行くにも家から自転車で行けます。
僕は郊外に住んでいますが、街までの自転車道があまりにきれいなので、雪が積もっていない限り自転車通勤しています。
美しい自然に囲まれながらも、どこに行くにも便利な街の距離感というのは素敵ですね。
ところで指揮者ユベール・スダーンさんは、1995年から2004年までモーツァルテウム管の音楽監督を務められた後に東京交響楽団にいらして音楽監督を10年(2004-2014)務められ、川崎市民にとっては非常に親しまれた指揮者ですが、スダーンさんとの 印象深いエピソードなどはありますか?
入団したばかりの頃、難しいパッセージを『どうやって弾くか同僚にお手本を示してください』と、よく一人で弾かされました。たまたま何とかなったので良かったのですが、弾けなかったらどうなっていたんでしょうか? 冷や汗・・・笑
今回ともに来日される、現常任指揮者のアイヴォー・ボルトンさんは、スダーンさんとどんなところが違いますか?
前任者のスダーンさんは、すべてきちっと合っていないと気が済まない方でしたので、何度も何度も合わない所を練習されました。
ボルトンさんは多少合わなくても音楽が流れていれば良い、という指揮をされます。でも何度か通しているうちに合ってきます。
実は僕も彼も車好きでスピード狂ですので休憩中などによく車の話をしています。
車といえばモーツァルテウム管弦楽団のメインスポンサーは自動車メーカーのAudiなんですよね。
先日も公式FacebookページでボルトンさんがAudiと一緒に写っている写真を拝見しました。
Audi Österreich hat sein Hauptsponsoring mit dem Mozarteumorchester um weitere zwei Jahre verlängert. Durch dieses…
Posted by Mozarteum Orchestra Salzburg on 2015年5月6日
モーツァルテウム管弦楽団はどんな雰囲気のオーケストラですか?
一言で言うとすごく仲の良い大家族ですね。
演奏会の時は、団員全員がそれぞれの音楽を楽しんでいます。
ですので、多少合わないこともありますが、すごいエネルギーが出ていると思います。
そのエネルギーを上手に引き出し、また操り纏められる指揮者でないと上手くいきません。
仕事以外ではみんな何かスポーツをしています。
ジョギングはもちろんの事、夏は仕事の後湖で泳いだり、登山、マウンテンバイク・ツアー、スキューバー・ダイビング、サイクリング(アルプス越え)等、冬はゲレンデスキーはもちろん、ノルディックスキー、山スキー、冬山登山等々。
マラソンをしている同僚もいれば、トライアスロンをしている同僚もいます。
とにかくコンディション作りとはいえ、みんなすごいです。
みなさん想像以上にアクティブなんですね!オーケストラ奏者のイメージが変わります笑
自然に囲まれ、すぐにアウトドアスポーツができる環境があるというのは羨ましいです!
最後に5月31日のミューザ川崎公演にあたってメッセージをお願いいたします。
川崎でのメインはモーツアルトのジュピターです。モーツアルトのシンフォニーの中で僕の一番好きな曲です。
C-Durの曲でヴィオラにはC線があるので楽器が良く響いてくれるのです。
また一曲目のハイドンは、僕がこのオケに入団して以来初めて弾く曲です。どのように仕上がるのか楽しみです。
日本のオーケストラにはない響きと音楽を皆さんに楽しんで頂けたら幸いです。
2004年ミューザ川崎でのこけら落としコンサートの印象は『素晴らしいホールだな』の一言でした。
そのホールが大震災で壊れたと聞いて、またインターネットで被害状況なども見て、『ちゃんと直るのか』と心配しておりました。
2年に及ぶ復旧工事で完全に復旧し、音響効果も以前の状態に戻ったと聞きます。
久しぶりの川崎でのコンサートを非常に楽しみにしています。
加藤さん、どうもありがとうございました!
モーツァルトの生地・ザルツブルクからやってくるモーツァルテウム管弦楽団の公演は間もなく5月31日。
どうぞお楽しみに!
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
2015. 5.31 (日) 17:00開演(16:15開場)
指揮:アイヴォー・ボルトン
ピアノ:マルティン・シュタットフェルト
ハイドン:交響曲第85番変ロ長調 Hob.I:85「王妃」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466
モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
写真提供:(C)Tourismus Salzburg (ザルツブルク市街・モーツァルト胸像)