創発×モーマチ第59回「プロピアニストに聞いてみよう! ~中高生向けピアノ・ワークショップ~」を開催しました!
2024.12.22
2024年11月16日(土)、モーツァルト・マチネ第59回終演後、ピアノを弾く中高生を対象にした「プロピアニストに聞いてみよう!〜中高生向けピアノ・ワークショップ〜」が開催されました!
中高生のみなさんがお互いに影響し合い高め合うプログラムを・・・!という思いでスタートした『創発プログラム』。今年度3回目は、同日のオーケストラコンサートにてソリストを務めた、ピアニストの務川慧悟さんによるワークショップです。
集まったのは川崎市内外の(中には関東外からの参加者も!)、ピアノを弾いている中高生10名のみなさんです。
コンサート開演前、参加者同士で自己紹介や務川さんにどんなことを聞いてみたいかを共有しました。身体の使い方、演奏するときに気をつけていること、新しい楽曲に向き合うとき、より深く表現するには何から始めたらよいのか?など、様々な質問があがりました。自分からの質問に加えて、他の参加者の質問からも気づきを得てもらえたらと思います。
ここで一度解散。コンサートをお楽しみいただきます。
終演後、参加者のみなさんにコンサートはいかがでしたか?と聞くと、その表情から、それぞれがコンサートから受け取ったものの大きさをうかがうことができました。
務川さんから事前にいただいた「モーツァルトの協奏曲には、”同じモチーフを色々な楽器が演奏する”というオペラのような特徴がある。ピアノと他の楽器が同じモチーフを演奏するとき何が違うか、また、何が同じかを意識して味わってみて欲しい」というコメントもお伝えしました。今後の鑑賞のポイントとして持ち帰っていただければと思います。
講師の務川さんに登場いただき、いよいよワークショップスタートです!
参加者一人ずつ、質問していきます。務川さんは言葉で、時に演奏で、真摯にお答えくださいました。
演奏する上でのテクニックについては、どんなことに注意して練習するとよいのかをアドバイス。参加者が今取り組んでいる具体的な曲の表現の仕方については、どんなイメージの曲であるかを演奏を交えて教えてくださいました。ピアノや音楽への向き合い方については、ご自身の考えを説得力のある言葉でお話しくださいました。
このブログをご覧の皆様にも、そのお言葉の数々をいくつかご紹介いたします!
- ホールでは、音を会場のたくさんの人に届けようと思って弾く。家で一人で練習するときとは感覚が違う。ピアノは指を使って演奏するけれど、それよりもっと広く、音が響いた先を聴くようにする。そうすると、違う音になっていく。
- ピアノの鍵盤は、一番下まで押さなくても音が出る。どこまで押すと音が出るのかはピアノによって違うので、自分で弾いて確かめながら探してみる。
- バッハを演奏するとき、ピアノの音源ではなく、チェンバロの音源をよく聴いている。チェンバロは強弱ではなくアーティキューションで表現する。どのようなアーティキュレーションになっているかを分析してピアノで表現してみる。
- 新しい楽曲に向き合う時の手順として、理想は、まず譜面を読むこと。譜読みをしてピアノで弾くまでは、その曲の音源は聴かない。代わりに、その周辺の作品の音源はたくさん聴く。譜面を読みどんな音がするのかイメージがついたら、ピアノで弾いてみる。理想の音は常に自分の頭の中にある。理想の音と実際の演奏の違いを埋めていく。
どのアドバイスも参加したみなさんの心に響き、また時折実際に弾いてくださる演奏に会場全体が聴き入る様子がとても印象的でした。
務川さん、本当にありがとうございました!参加されたみなさん、今回の機会で得たものをぜひこれからのピアノライフに活かしていただければと思います!
次回の創発プログラムは、2025年3月2日(日)開催の「音楽を聴いて言葉で伝える!〜中高生向けワークショップ 目指せ!ユース・レポーター」です。2月12日(火)まで申込受付中!楽器を演奏したことのない方ももちろん大歓迎です!ぜひご応募ください!