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【ホール20周年特別連載】ミューザの日2024「アニバーサリー・コンサート」~プロデューサーを終えて~

2024.07.23

From_Muza / ミューザの日

皆さんこんにちは!
プロデューサーの市川モナと森照覚です。本日でこのコラムも最後になりました!ミューザの2024『アニバーサリー・コンサート』のプロデューサーを通して学び、感じたこと、そして感謝の気持ちをお届けできたらと思います。

-トータルプロダクション担当 森照覚

ミューザの日2024、そして『アニバーサリー・コンサート』は楽しんでいただけましたでしょうか?ご来場くださいました皆さま、応援してくださった皆さま、関わってくださった全ての皆さまに、感謝申し上げます!

アニバーサリー・コンサートに向けて、本番2日前よりリハーサルが始まりました。東京交響楽団と原田さんによって音楽が奏でられると、一気に世界観が広がり、いままで考えてきたものが形になっていく瞬間が非常に感動的でした。
本番は、私自身も客席でコンサートを鑑賞しましたが、音楽に合わせて身体をゆらしていたり、各国のあいさつをサリーちゃんに続けて言ったり!川崎の姉妹・友好都市、友好港について音楽を通して子どもから大人まで身体全体で体感し、楽しんでいただけたのかなと感じています!

私はトータルプロダクションとして、

  • スタンプラリー「Let’s 世界のあいさつ!~こんにちは・ありがとう~」
  • 5/3『こどもフェスタ2024春 こどもの日オープンハウス』にて開催した「塗って!描いて!自分だけのふりふりフラッグ」の作品紹介ブース

の2つを担当しました。スタンプラリーでは、バナーの横にある各国の紹介パネルをじっくり読んでくれる姿も見受けられ、多くの方に楽しみながら川崎の新たな側面に触れていただくきっかけになっていれば嬉しいです。そして、5/3に作ってもらった素敵な作品のおかげで、ミューザの日がより華やかに彩られていました!

5月5日に参加者が作った旗を飾る森さん。

こうして約半年間を振り返ってみると、できたことはもちろん、もっとこういう風にすれば良かったのか!という発見もありました。
コンサート本番では、パイプオルガンに各国をイメージした照明を当てていたのに気づきましたか?市川さんが原案を考え、リハーサルで実際の当たり方などを見たうえで、より国が伝わりやすいように舞台スタッフの方と試行錯誤して完成させました!
そして、本番では当初予定していなかった事が2つ行われました。それは、「ウエスト・サイド・ストーリー」の演奏中に始まった指パッチンと、川崎市とミューザへ向けてのハッピバースデー!実は、打ち合わせなしの原田さんのアイディアでした!突然始まったときは私もびっくりしましたが、お客さんの様子や笑顔を見た時に、その空間に合わせた柔軟なアプローチとプロデューサーとしてもっとお客さん視点を持つことの大切さを学びました。

客席に向かって指パッチンをする原田さん
©増田雄介

そしてトータルプロダクション担当として、広報においてもっとアプローチできればよかったなと少し悔いもあります。どれだけ良い内容のコンサートでも、その概要や日時などが沢山の人に伝わらないと中々足を運んで貰えません。私自身も5月中旬から約5週間の教育実習を行っていたり、スケジュール的にもご迷惑をかけてしまった部分もありますが、だからこそ、ミューザの広報チームと協力して早め早めに積極的なアプローチをすればよかったなと感じました。
だからこそ、本番が近づくにつれ最後何ができるのか?と考えたときに、“自分の言葉で思いや演奏会の魅力を発信する”ことができる!と考え、本番1週間前から毎日取り組みました。より多くの方に伝えるために原田さんや小川さんにもお願いをし、Xにて快くリポストもしていただくこともできました!

このようなマインドになったのも、約半年間に渡る、プロデューサーの経験において「どうしたら出来るかを前向きに柔軟に考える」ことの重要さを学んだからです。
原田さんとの打ち合わせを振り返ってみると、常に「こういうのはどう?」「○○をするのは?」と言ったように、実現できるように次へ次へと考えていくそのマインドを持っていました。さらに、ミューザの方と盛り上げ企画を考えている時も、「こういうのだったら出来そう!」というような、意見を尊重してくださった上でそれを具体化させる方法を一緒に考えてくださいました。そのようなポジティブに物事を考える経験があったからこそ、ラスト1週間というところで今できることを発揮出来ました。

私は大学4年生というタイミングで、その先の将来を考えていく段階です。今回取り組んだ、オーケストラはもちろん、オペラ、バレエ、ジャズ、歌舞伎等とにかく広く芸術が好きなので、ジャンル問わず生の音楽、舞台に触れたくなるような作品を作っていきたいです。
中でも、「伝統」を軸におきたいと思っています。伝統ときくと、“昔のものを大切にする”という意味だけだと思われがちですが、真の意味は“昔のルーツを守りながら、全力で挑戦し発展させる”という意味だと私は考えています。文化芸術の伝統を守り、新たにつくり出せるようにこれからも精進していきます!

あらためて、プロデューサーの経験は私にとってかけがえのない財産です!
本当にありがとうございました!

– プログラムコンセプト・公演企画担当 市川モナ

皆さま、ミューザの日2024 アニバーサリー・コンサートはいかがでしたでしょうか?
去年の10月頃から約8ヶ月の準備を経て迎えた6月29日。
私としては、コンサートが現実であることを実感したのは27日の最初のリハーサルでした。
試行錯誤して選んだ曲を、原田マエストロがリードする東京交響楽団の皆さまが舞台上で演奏されるのを見て聴いた時には感極まるものがありました。

リハーサルの冒頭、市川さんと森さんを紹介する原田さん。

このような特別な企画に関わらせていただきとても光栄に存じます。全ての関係者の方々はもちろん、ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました!

コンサート後、多くのお客様に回答いただいたアンケートに目を通す中で

  • 「初めてのクラシックのコンサートだが楽しめた」
  • 「川崎と世界の交流を知ることができた」
  • 「大人も子どもも楽しめた」

などの嬉しいお言葉を頂戴し、「ここは絶対大切な点だから、最優先に考えたい」と思って工夫した箇所に気づいていただけてとても感激しました。

もちろん全てのお客様に100%満足していただくのは非常に難しいことですが、だからこそ色々な意見の中でも私が皆さまに感じていただきかった感想が見られると、とても胸が熱くなります。また、「こうだったら更に良かった」などのご意見も自分の成長のきっかけになるだけでなく、一人のクラシック音楽ファンとして音楽の楽しみ方の多様性を感じる貴重な意見になりました。

他に成長のきっかけになった学びといえば、客観的に考えていくことの難しさを感じたことです。前回までのブログでも何度もお話ししている内容ではありますが、主に選曲の経験を通して感じました。
音楽への感想は主観的なことが大半だと思うので、自分が好むような音楽にとらわれず、プロデューサーとしての視点を常に持つことがとても新鮮でした。
子どもやクラシックを普段聞かない人でも楽しめるのか、友人に意見を聞いたり想像力を働かせてみたりなど、一つの答えがないと実感するプロセスの繰り返しで、プロデュースしている最中は頭を悩ませていたものの、今考えるとこのような過程があるからこそ芸術として鑑賞する醍醐味があるのだなと思います。

また一般的な視点で振り返ると、本当に貴重な社会経験になりました。
私の将来の夢は音楽とは関連していませんが、大人の中に混ぜていただき意見を発したりする経験は自分の中で大きな経験値となると感じています。高校生の時からそのような経験をさせていただき、学びがとても多かったです。

改めましてミューザの日2024 アニバーサリー・コンサートの関係者様、そしてお客様には心から感謝を申し上げます。
これからも、お客さんとしてミューザでのコンサートを皆さまと一緒に楽しみたいです!

コンサート終了後カーテンコールで舞台に立つプロデューサー二人
©増田雄介
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