創発×モーマチ第58回「コントラバスお悩み相談室」を開催しました!
2024.06.20
2024年6月2日(日)モーツァルト・マチネ第58回終演後、コントラバスを弾く中高生を対象にした「コントラバスお悩み相談室」が開催されました!
中高生のみなさんがお互いに影響し合い高め合うプログラムを・・!という思いでスタートした『創発プログラム』。今年度2回目の開催は、同日のマチネコンサートにも出演された、東京交響楽団コントラバス フォアシュピーラーの北村一平さんによるコントラバスワークショップです。
集まったのはジュニア・オーケストラや学校のオーケストラ部、吹奏楽部に所属してコントラバスを弾いている3名のみなさんでした。コンサート開演前、まず参加者のみなさんに集合していただき、自己紹介やコントラバスの悩みの共有をしました。
楽器のフォームやロングトーンの弓の使い方、跳ね弓やトレモロの弾き方など、それぞれのコントラバスの悩みを出し合いながら、どんな曲を弾く時にその悩みが起こったのか?その悩みに対して、他の参加者の人はどうしているのか?などをお話ししました。
この後は一度解散し、マチネ・コンサートを鑑賞します。スタッフとの事前打ち合わせで講師の北村さんがおっしゃっていた、「コントラバスを聴くことももちろんだけど、他の楽器は何をしているのか?メロディーは何か?など他の楽器のことも聴いていないとコントラバスの役目は果たせない」というコメントをスタッフから参加者へお伝えしました。参加者の中にはオーケストラの演奏会は久しぶりというメンバーも。マチネ・コンサートを楽しみつつ、ヒントになるものをぜひ見つけていただければと思います・・!
コンサート鑑賞の後は、再び集合します。鑑賞の興奮冷めやらぬ様子の参加者や、東京交響楽団コントラバスセクションのみなさんの演奏と弾き姿に、同じ曲を弾けるとは思えない・・!と驚きの様子の参加者もいました。
この日は楽器を持参した参加者も、ミューザから楽器を借りた参加者もいます。各々楽器の準備をして、ホールに早速移動し、北村さんのワークショップのスタートです!
はじめに、弾くときの姿勢についてお話しくださいました。コントラバスは、立って演奏するときと、コントラバス専用の椅子を使って座って弾くときがあります。それぞれ普段どちらの姿勢で弾いているのか異なる参加者のみなさん。北村さんは、立って弾くときの体の状態を基本に、骨盤を寝かせずに座ることが大切、と実際にご自分の姿を見せながらコメントしてくださいました。
今回のワークショップで挙がった質問と北村さんのアドバイスはこちらです。
Q「テンポの速いスケールのパッセージ」をどう弾いたらいいのでしょうか。
(シューマン:交響曲第4番 第4楽章)
A「うまく弾けるか心配なあまり、左手の抑えが段々緩くなってしまうと、かえって音がはっきりしなくなってしまう。細かいパッセージの際にどのように右手首を使うかが大切。」
参加者が実際に曲の中のフレーズを弾きつつ、北村さんご自身も弾いてくださりながらアドバイスをなさっていました。右手首についてのアドバイスは、次の質問にも通じる部分がありました。
Q「トレモロ」の正しいやり方を教えていただきたいです。
(バルトーク:中国の不思議な役人)
A「腕の重みを活かしつつ、不要な力を抜いて細かく弓を動かすことが大切。」
Q「跳ね弓」のコツを教えていただきたいです。
(ロッシーニ:ウィリアム・テル序曲)
A「弓をはねさせようとするのではなく、弓が持つ張力を生かして自然にはねる状況を作ること。不要な力を抜いて、弓に任せることが大切。
また、松脂によって弓が弦に引っかかる状況を作ること。松脂を固定し弓を動かすことで、摩擦によって松脂を溶かして塗ること。どんな松脂を選ぶのかもとても重要。」
トレモロの質問の際にも話題になった右手の使い方が、ここでも大切な要素のようです・・!北村さんは、松脂の塗り方も実際にやって見せてくださいました。
3名の参加者が持ってきてくださった質問や曲目はそれぞれ違うものでしたが、悩みの解決につながる楽器の基礎はどれもつながっていました。参加者の方は、自分のお悩みの時はもちろん、自分以外のお悩みの際にも、メモを取ったり楽器を構えてみたりして熱心に聞いていました。北村さんは実際に演奏例を示しながら、それぞれの参加者の演奏にアドバイスしてくださり、一つの「お悩み」から、とてもたくさんのヒントをくださいました!
北村さん、熱心にご指導いただき、本当にありがとうございました!!
参加者のみなさん、ぜひこれからのコントラバス・ライフに役立てていただければと思います!
次回の創発プログラムは、2024年11月16日(土)11:00開演「モーツァルト・マチネ第59回」終演後に開催します。詳細は8月頃ブログにて公開予定です!