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【ホール20周年特別連載】ミューザの日2024「アニバーサリー・コンサート」~プログラムに込めた想い~

2024.03.01

ミューザの日

 皆さん、こんにちは!

 ミューザの日2024アニバーサリー・コンサートでプロデューサーをさせていただいております、市川モナです。先日ご紹介したホール20周年特別連載第1弾「ミューザの日2024プロデューサー応募へのきっかけ~2人のストーリーを紐解く~」はご覧いただけましたでしょうか。第1弾に引き続き今回の第2弾では「プログラムに込めた想い」について、プログラムのテーマ、コンサートで注目していただきたいポイント、私が込めた想いをお話しいたします。この記事を読んでコンサート当日へのワクワクを膨らませていただけたら幸いです!

 まずは今回のコンサートのテーマをざっくりと紹介いたします。「音楽を通して、川崎が姉妹・友好都市・友好港を結んでいる国の文化に触れる」です!

 皆さん、川崎市が世界9都市と姉妹・友好都市・友好港を結んでいることをご存知でしたでしょうか。具体的には、締結順に、

  • クロアチア(リエカ市)
  • アメリカ(ボルチモア市)
  • 中国(瀋陽市)
  • オーストラリア(ウーロンゴン市)
  • イギリス(シェフィールド市)
  • オーストリア(ザルツブルク市)
  • ドイツ(リューベック市)
  • ベトナム(ダナン港)
  • 韓国(富川市)

になります。正直、私はこのコンサート企画への応募を決断する時まで知りませんでした(笑)。
ですが、姉妹都市・友好都市・友好港に関する情報は、川崎の図書館や市民館などの公共施設に行くとボードに一覧になっていたり、川崎駅からミューザに行く途中に「ザルツブルクの鐘」があったり……川崎にお住まいの方や、ミューザをよく利用される方にとっては意外と身近なところにあったりするのです。

JR川崎駅にあるザルツブルクの鐘

そこで、コンサートで注目していただきたいのが「今まで知らなかった川崎の新たな側面」です。普段の生活ではあまり意識することがない、川崎市の姉妹都市・友好都市。今回のコンサートでは、それらの都市がある国に注目します。このコンサートをきっかけに、いつもと違った視点で川崎を見て、川崎が世界でどういった立ち位置なのかを知っていただければ幸いです。もちろん、各国の音楽を純粋に楽しんでいただくこともお忘れなく!

続いて当日の曲目とそれぞれが選ばれるまでのエピソードをお話しします。(順不同)

  • 日本
    菅野由弘:世界中から こんにちは そして ありがとう(オーケストラ版世界初演)
    この曲は元々、ミューザの日2020で東京オリンピックを記念して演奏される予定でしたがコロナ禍で延期に。念願の初演を迎えます。今回のプログラムの必須要素の一つで、私にとっては、コンサートを企画する上で軸になった曲です!
  • クロアチア
    スッペ:喜歌劇「軽騎兵」から 序曲
    クロアチア(昔はオーストリア=ハンガリー帝国の一部でしたが)生まれの作曲家といえば挙げられるのがスッぺ。彼の作品の中でもこの曲を選んだ理由は、軽快でワクワクする曲想でとても聴きやすく、クラシックを普段聴く方も聴かない方も、世代問わず楽しめると思ったからです。
  • アメリカ
    バーンスタイン:「ウェスト・サイド・ストーリー」抜粋
    アメリカの音楽といえばミュージカルの他にジャズなどもありますが、その中でもバーンスタインの「ウェスト・サイド・ストーリー」を選んだ理由は、他のジャンルにないミュージカルの楽しさや、アメリカの文化を強く反映した作品だと思ったからです。物語自体がアメリカの民族的多様性を表しているだけでなく、作曲家のバーンスタイン自身も色々な面で象徴的な人物といえると思い選びました。
  • 中国
    茉莉花(中国民謡)
    この曲は、中華学校で育った高校の友人に教えてもらいました。中国の子供達にとってはとても身近な民謡だそうで、日本語にも翻訳されて歌われたりもするようです。茉莉花はジャスミンの花を意味していて、とても愛らしい旋律を持った曲です!
  • オーストラリア
    ハースト:スワグマンのプロムナード
    この曲は、マエストロ原田先生のオーストラリアのお知り合いの方に教えていただいた作品で、オーストラリアの第二の国歌ともいわれる「Waltzing Matilda」などの伝統的な旋律を複数組み合わせています。オーストラリアの文化が存分に盛り込まれていてとてもかっこいい曲です!
  • イギリス
    エルガー:「威風堂々」第1番
    イギリスといえばこの曲ですね。当初は民謡「グリーンスリーブス」とも選曲を迷いましたが、オーケストラの醍醐味が味わえる曲ですので、この曲を選びました。川崎市とミューザ川崎のお祝いの雰囲気をさらに高めてくれると思います。
  • オーストリア
    モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」から 序曲
    川崎市が、モーツァルトの生まれ育ったザルツブルク市と友好都市だなんて本当に素敵ですよね。モーツァルトの名曲は数えきれないほどありますが、華やかで祝祭的な曲調がこれまたピッタリなのではないでしょうか。
  • ドイツ
    ブクステフーデ:プレリュード ハ長調 BuxWV 137
    ドイツにはたくさんの有名な作曲家がいる中で彼の曲を選んだのは、ミューザの魅力を存分にお聞かせできるからです。ブクステフーデは、川崎との友好都市であるリューベックの教会でオルガニストとして務めていた人物である上、ミューザのホールオルガニスト大木麻理さんはリューベックに留学されていたそうです。この縁の深さとともに、壮大なオルガンの音色をお楽しみいただければと思います。
  • ベトナム
    弦楽オーケストラのためのベトナム民謡「リィ・ホァイ・ナム」
    「リィ・ホァイ・ナム」は、川崎港の友好港・ダナン港がある、ベトナム中部で慕われ、歌われている民謡だそうです。アジアの民謡は他地域と比べると特徴的ですが、それをあえてクラシックの弦楽オーケストラで演奏することで、なかなか聞くことができないサウンドを体感できると思います!
  • 韓国
    アリラン(韓国民謡)
    お隣韓国で最も親しまれている美しいメロディーのアリランは、世界の民謡の代表として日本の音楽の教科書にも載ることが多いですよね。すぐ近くの国でも文化が異なり、それが音楽にも表れているという興味深さを感じていただけると思います。

このように、川崎のために作曲された曲から、クラシックの名曲、ミュージカル曲、民謡まで、幅広くお届けします。色々なジャンルを弾きこなすオーケストラを見て、聴いて、オーケストラの魅力も最大限に伝わるといいな、と思います。

 最後に、「私がプログラムに込めた想い」をお話ししたいです。

ミューザの日のコンサートはいつも「家族3世代で楽しめるコンサート」であるのですが、今年のミューザの日2024では、川崎の新たな側面を知り、様々な国やジャンルの音楽に触れ、他の国の子ども達がどのようなものを見て・聴いているのかを感じる、というように多世代の方に楽しんでいただきたいです。

 特に3つ目の「他の国の子ども達がどのようなものを見て・聴いているのかを感じる」については、「普通」の多様性を、音楽を通して身体で感じることができ、川崎市が取り組んでいる「多文化共生社会の実現」にもつながるのではないでしょうか。
私たちが生まれた時から耳にしてきたメロディーは私たちにとっては「普通」ですが、他の国ではそうでないということを、世界各国のメロディーを聴いて多様性を感じるきっかけになれば嬉しいです。グローバル化が進む今、目の前の社会だけでなく他文化への意識を持つことが重要だと私は普段から思っております。

 100周年の川崎市をお祝いするだけでなく、これからの川崎市も、一緒にビジョンできればと思います。コンサート本番が楽しみになっていただけましたか?

魅力的なミューザ川崎の響きの中、素晴らしい東京交響楽団の皆様の演奏で川崎と世界をご一緒に体験しましょう!

川崎市役所新本庁舎展望台からの川崎市の眺め

公演詳細はこちら

ミューザの日2024「アニバーサリー・コンサート」公演詳細

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