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グラスハープの神秘の音色―幻のモーツァルト作品を聴く!

グラスハープという楽器について、「ワイングラスに水を入れて音が鳴る」という知識はあっても、実際に生の音を聴いたことがある方はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか?

さる2月15日に開催した「MUZAランチタイムコンサート」では、グラスハープとギターによるコンサートをお届けしました。

グラスハープとギターの演奏
グラスハープ:大橋エリ ギター:後藤郁夫

グラスハープは、ワイングラスの縁を濡れた指でこすって演奏する楽器。
グラスの大きさでおおむね音階に並べ、水の量で調律するそうです。
「お水を入れて演奏するのがグラスハープだと思われがちですが、実は空の状態が一番よく鳴るんですよ」(大橋さん)と意外な事実も。
「グラスハープ」という、楽器用のワイングラスがセットで販売されているのかな?なんて思っていたのですが、どうもそうではなく、大橋さんが自ら1つずつワイングラスを収集し、演奏曲に合うようにコーディネートしているのだそう。

おそらくほぼ全員のお客様が、グラスハープを聴くのは初めての体験。
「目を瞑っていると、天から音の粒が振ってくるようだった」
「癒し効果がすごい」

など、その繊細な音色をうっとりと楽しまれた方が多かったようです。

このグラスハープという楽器は中世ヨーロッパで流行し、モーツァルトもグラスのための曲「グラスハーモニカのためのアダージョとロンド ハ短調 K.617」を書いています。

グラスハーモニカ(アルモニカ)は、グラスハープと音を出す仕組みは同じですが、より機能的に改良された楽器です。
発明と命名は、雷が電気であることを発見したり避雷針の発明で有名な、あのベンジャミン・フランクリン。
このグラスハーモニカのストーリーもなかなか興味深いので、もしよろしければこちらを。
アルモニカ(Wikipedia)

「グラスハーモニカのためのアダージョとロンド」は、モーツァルト最晩年の1791年に作曲されました。
当時人気を博していた盲目のグラスハーモニカ奏者マリアンネ・キルヒゲスナーのために書かれたとされています。

今週末3月6日の「モーツァルト・マチネ」では、この曲を大橋エリさんと東京交響楽団メンバーとの演奏でお贈りします。
実は2020年5月に演奏予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言によりやむなく中止に・・・。
今回、やっと皆様にお届けすることができます!


公演中止となった2020年5月、ソロパートのみを収録した大橋さんの演奏です!

この曲は五重奏曲で、東京交響楽団の木管・弦楽器奏者との共演となります。
(フルート:相澤政宏、オーボエ:荒木奏美、ヴィオラ:西村眞紀、チェロ:伊藤文嗣)
本番に向けて、大橋さんがグラス選びをされている様子がブログにアップされています。
1グラス=1音ですから、音の移動は本当に難しそう!グラスの高さが違うだけでも演奏の難易度があがりそうですね。
実演の機会は本当に貴重です!繊細な響きを、ぜひミューザでお聴きください。

公演情報・購入はこちら

写真撮影:藤本史昭

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