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ほぼ日刊サマーミューザ2020オンライン 8/11日 第17号

2020.08.11

未分類

もくじ
▶コンサートレビュー(8/10 東京交響楽団フィナーレコンサート)
▶お客様の声から♪
▶エンジョイ!川崎!!パートナーショップのご紹介「雲吞房」
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東京交響楽団と原田慶太楼、「音楽のまち・かわさき」の明るい未来を確信

ⓒ青柳聡

【8/10 東京交響楽団フィナーレコンサート】

「フェスタサマーミューザKAWASAKI2020」の締めくくりは、ミューザ川崎シンフォニーホールをフランチャイズ(本拠地)とする東京交響楽団(東響)の「フィナーレコンサート」。2021年4月の正指揮者就任が内定した指揮者、「原田慶太楼のアラビアンナイト(千夜一夜物語)」と題し、ロシア〜旧ソ連の3人の作曲家を特集した。「東響の首席奏者をソリストに立てたい」との希望に沿ってグリエールの「ハープ協奏曲」(1938)では景山梨乃、リムスキー=コルサコフの「交響組曲《シェエラザード》」(1888)では景山とコンサートマスターの水谷晃、さらにチェロの伊藤文嗣らが素晴らしいソロの腕前を披露した。

開幕はショスタコーヴィチの《祝典序曲》(1954)。原田はプレトークで「1975年に亡くなった作曲家の命日(8月9日)翌日に当たるので」としたが、旧世代には日ソ中立条約をソ連が破棄し対日参戦した1945年8月9日の記憶もあり、旧ソ連体制とのせめぎ合いの下に作曲を続けたショスタコーヴィチの〝複雑系〟人生を思った。終戦翌年の1946年に発足した東響には、ショスタコーヴィチの交響曲を数多く日本初演した自負もある。原田は第1ヴァイオリン14(人)型(対向配置)のサイズまで戻った東響をフルに鳴らし、コーダ(終結部)手前ではパイプオルガン下に10人の金管楽器奏者も招き入れて豪快に盛り上げ、猛暑の睡魔を一気に吹き飛ばした。

景山は自身が所有する米ライオン&ヒーリー・ハープス社製の楽器を持ち込み、グリエールの協奏曲だけでなく、リムスキーのオケ中ハープにも使用した。アンコールのソロ曲、ルニエ(フランスの女性作曲家)の「いたずら小鬼の踊り」で、より明確に認識されたと思われるが、ミューザの音響特性とハープの相性は抜群だ。筆者は昨年、フランス人男性奏者グザヴィエ・ドゥ・メストレがトゥガン・ソヒエフ指揮NHK交響楽団と同じ曲を演奏するのも聴いている。景山はポジティブな意味でのジェンダー(性差)を際立たせ繊細で華やか、たっぷり情緒をたたえて安定したソロを披露した。原田は弦楽合奏のメロウなサウンドを保ち、体のバネを生かした柔軟な棒さばきでソロにぴたりと付ける巧みさを発揮した。

 

「シェエラザード」では指揮棒を持たず、全身を駆使したボディランゲージで東響をさらなる頂点へと駆り立てた。ゆっくりめのテンポで強弱、緩急の振幅を大きくとり、作為的なドラマトゥルギー(作劇術)よりも、シークエンスごとの物語の「像」をくっきりと活写する路線に徹した。水谷の〝水も滴る〟美音、景山の積極的な踏み込み、伊藤の雄弁…と木管の巧みなソロ、金管や打楽器のパワーがゴージャスな弦楽合奏の絨毯の上に乗り、見事な「千夜一夜物語」を描いた。

エンターテインメント感覚あふれるストーリーテラーぶり、ゴージャスなサウンドはどこかで聴いた記憶がある。「シェエラザード」を得意にしたレオポルド・ストコフスキー 、その勇退後にアメリカン・シンフォニー音楽監督を引き継いだ東響桂冠指揮者の秋山和慶らに連なる合衆国流指揮芸術(アート・オブ・コンダクティング)の系譜を原田が(間接的に)引き継ぎ、東響でポストを得た組み合わせの妙に最後、思い至った。

今年の「フェスタサマーミューザKAWASAKI」は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴い、曲目や出演者の大幅変更を余儀なくされながらも全17公演を敢行した。1992年に川崎市がモーツァルトとカラヤンを生んだ世界的音楽祭の街、オーストリア・ザルツブルク市と友好都市提携を結び、さらに2004年、「音楽のまち・かわさき」構想を打ち出した当時は半信半疑の人も多かった。2011年の東日本大震災でミューザ川崎シンフォニーホールが被災すると、ザルツブルク音楽祭はチャリティーコンサートを開き多額の義援金を送ってきた。今年はCOVID-19で世界中の演奏会やオペラが休演するなか、夏の大規模な音楽祭の開催に漕ぎ着けたのは、ほぼザルツブルクと川崎だけ。フィナーレコンサートはコスモポリタン原田と東響の力強い演奏とともに、「音楽のまち」の未来を確信させる歴史的な公演となった。

(池田卓夫 音楽ジャーナリスト@いけたく本舗®︎)

カーテンコールで呼び戻されるコンサートマスター:水谷晃(左)、ソロをつとめたハープ:景山梨乃(中央)、
指揮:原田慶太楼(右) ⓒ青柳聡

東京交響楽団フィナーレコンサート 8/10 (月祝) 15:00開演
指揮:原田慶太楼
ハープ:景山梨乃(東京交響楽団 首席ハープ奏者) *
ショスタコーヴィチ:祝典序曲
グリエール:ハープ協奏曲 *
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

アーカイブ視聴はこちらから→東京交響楽団フィナーレコンサート『原田慶太楼のアラビアンナイト(千夜一夜物語)』(8/31まで視聴可能です!)

お客様の声から

フィナーレ公演にふさわしいプログラムでした!ハープのソリストの演奏は初めてでしたが美しい音色に満たされて幸せな気分に。原田マエストロと東響の、音を奏でる喜びにあふれた演奏が印象的でした。正指揮者就任の来季がますます楽しみです。(40代・会社員・NLC)

指揮者の原田さんが、祝典序曲から全力投球でシェエラザードが終わったあとは、やり切った感にあふれていました。来年も聴きに行きたいと思いました。(40代・会社員・ちくわぶ)

オケの魂が一丸となって高みに昇った特別な演奏会だった。原田さんの熱血陽気なマインドが、水谷さんをはじめとする楽団員とマッチしていて、来春の正指揮者就任で、東京交響楽団は飛躍的に成長するのではないか。非常に注目され、後援会に入ろうかと思ったほど。楽団員をソリストに抜擢する原田さんの考え方も素晴らしい。(50代・会社員・ミューザファン)

シェヘラザードの最後の余韻とともに、まるで夢のような今年のサマーフェスタが終わってしまったんだとちょっとしんみりしてしまいました。夢になりそうだった今年のフェスタを現実にしていただけたスタッフ・オーケストラの皆様に心からお礼を申し上げたいです。来年もまたどのようなカタチであれホールで皆様と再会できますように。
あ、今年のフェスタは月末までアーカイブ配信があるんでした。まだまだ楽しみます!(会社員・ぜぶら)

温かいコメントをお寄せくださった皆様、ありがとうございました。
アンケートはいつでもWEBにて受け付けております!
回答はこちらから→フェスタサマーミューザKAWASAKI2020アンケート

エンジョイ!川崎!! パートナーショップのご紹介「雲吞房

熱い辛い麺が食べたくなるこの季節。本日ご紹介するお店は雲吞房(わんたんぼう)さん。
今回は、坦々雲吞麺チョイス。タンタンワンタンメン。たんたんわんたんめん。連呼したくなります。
坦々雲吞麺にミニ鶏飯をセットで(1,040円税別)。ワンタンはエビ、牛肉、豚肉から選べます。
私はエビで。プリップリ。

鶏飯用のソースは甘い系としょっぱい系の2種類。最終的には両方かけて食しました(常連さんのアドバイス)。最高です。あまじょっぱいって最強です。ぜひお試しください~(貸エビ)

【本日ご紹介のお店】
アゼリア地下 雲吞房
クーポン特典:ワンドリンクサービス(コーラ or ウーロン茶)
8/10日をもちまして、パートナーショップのクーポン利用期間は終了いたしました。
ご利用いただいた皆様、ありがとうございました。来年をどうぞお楽しみに。

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