【メッセージ】こどものみなさんに聴いていただくからこそ本格的なプログラムでお届けします!-小川典子(ピアニスト)
ミューザ川崎は、 開館15周年をむかえました。毎年つづけている「こどもフェスタ」。こどものみなさんに聴いていただくからこそ 本格的なプログラムで、と言う私のきもちは、小さなピアニストたち、小さな音楽家たち、小さな音楽ファンたち に伝わっていて、とても嬉しいです!
今回のプログラムは、むずかしい練習曲(ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」作品39 から 第1番)から始めます。ラフマニノフは、大きな手を持ったロシア人の作曲家でした。どれほど大きな手だったか、ピアノを使ってご紹介します。びっくりしますよ!
つづいて、フランスの作曲家ドビュッシー「月の光」 。ふわーっとしたピアノの音が、やわらかなお月さまの表情をあらわします。
次に、作曲家は生きている人間であることを、みなさんに知っていただくために、菅野由弘先生の曲(「水の粒子」)を演奏します。明珍火箸(みょうちんひばし)は、日本刀の材料「たまはがね」でできています。ふしぎな音がする火箸は、私たちの耳には聴こえない高周波を出しているそうです。どんな音色でしょう? ていねいに調律されたピアノの音にみごとにマッチ する明珍火箸の音は、この「水の粒子」を通じて、世界中の人たちに愛されるようになりました。もしかすると、会場で、菅野先生に会えるかも知れません。
ショパンは、ピアノの詩人と呼ばれ、美しいピアノ曲をたくさん残しました。身体が弱かったショパンは、世界中で演奏することはできませんでしたが、すぐれたピアニストであり、ピアノ教師でした。スケルツォ第2番は、ショパンの力強い一面をあらわした傑作です。
最後に、私が住んでいるイギリスから、みんな大好き、エルガー作曲「威風堂々」をお楽しみいただきます。 こどもフェスタにふさわしい、元気が出る行進曲です。
質問コーナーでは、みなさんの疑問にお答えします。今年も、多くのおともだちとお話できることを、楽しみにしています!
(フェスタサマーミューザKAWASAKI2019 プログラムより)
イッツ・ア・ピアノ・ワールド
2019. 7.28 (日) 11:00開演(10:30開場)
※途中休憩はありません
【出演】
ピアノ:小川典子
【曲目】
ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」作品39 から 第1番
ドビュッシー:月の光
菅野由弘:「水の粒子」ピアノと明珍火箸のための から
ドビュッシー:「ピアノのために」から トッカータ
ショパン:スケルツォ 第2番から
エルガー:行進曲「威風堂々」第1番