市立坂戸小学校で飯森範親さんによるリハーサルが行われました(5月12日名曲全集)
2019.05.09
5月12日(日)「名曲全集第146回」には、川崎市立坂戸小学校合唱団が出演します。坂戸小合唱団は2018年NHK全国学校音楽コンクール全国大会に川崎市の小学校としては64年ぶりに出場し、銅賞を受賞。また同年のTBS「こども音楽コンクール」文部科学大臣賞選考会では全国2位に輝く快挙を成し遂げ、いまその実力を全国に響かせている名門合唱団なのです!
この実績が評価され、東京交響楽団との共演が実現することとなりました。
今回は、4月26日に行われたリハーサルの模様をレポートします。
歌声を聞いて、「うまいね、みんな!」と飯森さんは感心しきり。
「名曲全集」で坂戸小合唱団が歌うのはこの2曲。
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ムソルグスキー:はげ山の一夜(オペラ「ソローチンツィの市」1880年版)
チャイコフスキー:大序曲「1812年」
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いずれも通常は合唱なしで演奏され、合唱付きの場合でも児童合唱が入るものはCDもほとんど出ておらず、貴重な実演の機会となります。
いずれもロシア人作曲家の楽曲ですので、当然言語はロシア語!
でも坂戸小合唱団はこれまでにブルガリア語やラテン語の楽曲も歌ったことがあり、外国語に対する難しさはあまり感じていないとのこと。
この日の練習も、もちろん暗譜です!
チャイコフスキーの大序曲「1812年」で児童合唱はロシア民謡「門の前で」が引用されている部分を歌います。1812年はナポレオン率いるフランス軍がロシア侵攻を行った年。その激しい戦闘が描かれている曲の中で、ロシア人民の思いがあらわされた部分です。
飯森さんは歌詞の意味や表情について、子どもたちに説明を行いながら練習を行いました。
「はげ山の一夜」は夏至の夜に魔物たちが行う宴の様子を描いた楽曲で、ディズニーの「ファンタジア」でもよく知られている曲です。
オペラ「ソローチンツィの市」用に書き直した際につけられた歌詞は、ロシア語と謎の悪魔語が混じっており、その呪文のような感じがこの曲のおどろおどろしさを倍増させています。通常よく演奏されるリムスキー=コルサコフ版の洗練された曲想とはかなり様子が違います。
「はげ山の一夜」では声部のバランスや、テンポを整えながらリハーサルを行いました。
子どもたちは出された指示にすぐに反応してどんどん音楽が変わっていきます。
飯森さんも「まったく問題ないよ!」と太鼓判を押しました。
坂戸小合唱団は昨年18ステージも本番があったほどの、多忙な合唱団です。
さぞかし練習が厳しいのだろうと思いきや、練習は週3日放課後1時間のみ。それで常時何曲も取り組み、外国語の曲も早々に暗譜するほど集中力の高い練習をしているということに驚きました。
ちなみに普通の部活のように部長はおかず、日替わりでリーダーが変わるという方式を取っています。これだけの本番があると、一人の部長では重圧がかかりすぎるため、交代リーダー制にしているのだそうです。自主性を重んじ、定期演奏会では大人は出演せず子どもたちだけでコンサートを作り上げるのだとか。
「名曲全集」本番では、東響コーラス、そしてヴィタリ・ユシュマノフさんとともにステージで歌います。大人顔負けの声量で集中して歌う子どもたちも、休憩時間になるとおおはしゃぎで走り回る普通の小学生。子どもたちに「何が一番緊張している?」と聞くと、「オーケストラと共演すること」「知らない大人の人たちと一緒に演奏すること」という答えが返ってきました。
これからオーケストラとのリハーサルも行われます。きっと本番では、堂々とした音楽を作り上げてくれることでしょう! とても楽しみです。
【公演情報】
ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団
名曲全集第146回 (会場:カルッツかわさき)
日時:2019年 5月12日 (日) 14:00開演
会場:カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)
〇出演
指揮:飯森範親
バリトン:ヴィタリ・ユシュマノフ◆
児童合唱:川崎市立坂戸小学校合唱団(合唱指揮:中島はるみ)♥
合唱:東響コーラス(合唱指揮:冨平恭平)★
〇曲目
ボロディン:だったん人の娘たちの踊り、だったん人の踊り(オペラ「イーゴリ公」より)◆★
ムソルグスキー:はげ山の一夜(オペラ「ソローチンツィの市」1880年版)◆♥★
チャイコフスキー:大序曲「1812年」♥★
カリンニコフ:交響曲 第1番