ピアニスト小川典子さん(ホールアドバイザー)が福田紀彦川崎市長を表敬訪問しました
2018.02.11
川崎市出身で、日本と英国を拠点に世界的に活躍するピアニストである小川典子さんが、2017年11月に英国ギルドホール音楽院よりフェローの称号を授与されました。
フェローは英国の教育機関が出せる最高位の称号であり、英国教育機関から日本人にこの称号が与えられるのはきわめて稀で名誉なことです。
小川さんは、2007年より英国ギルドホール音楽院で教授として指導にあたり若手音楽家の育成に貢献、同校で教鞭を取るだけでなく東京音楽大学の短期交換留学カリキュラム、ピアノ・デュオ プロジェクト、自閉症児とその家族のための「ジェイミーのコンサート」学術研究発表を発案し導入、成功させるなど先駆的な活動が高く評価され、ギルドホール音楽院とロンドン市から満場一致で授与が承認されました。
去る2月5日に、小川さんは福田紀彦川崎市長を表敬訪問し、このフェロー称号について、また授与のきっかけとなった川崎発の「ジェイミーのコンサート」について報告されました。
小川典子さん:「ジェイミーのコンサート」はミューザ川崎の市民交流室で始まり、今年で第16回を迎えます。いまや日本のみならず英国でもこのコンサートを行い、2015年には英国自閉症協会文化大使にも任命されました。そしてこのコンサートが、自閉症の方を支える家族のための画期的な新しい考えのコンサートだということで、シティ・オブ・ロンドンに認められ、フェローの称号をいただくことができました。式典は500年続く伝統ある儀式なのですが、ここでロンドン市長(ロードメイヤー Lord Mayer)であるサー・アンドリュー・パームリー氏より授与されました。シティ・オブ・カワサキから生まれたこのコンサートがシティ・オブ・ロンドンに認められたということで、本日はぜひ市長にご報告させていただきたく、訪問いたしました。
福田市長:英国教育機関で最高位の称号を川崎市から生まれた「ジェイミーのコンサート」がきっかけで授与されたというのは本当にうれしいことです。素敵な写真ですね。このコンサートは聴いている人もみんなハッピーになりますよね。私も昨年聴いてそう思いました。演奏される方も、お客様も、とてもいい雰囲気の中で実施されていますね。そして、演奏家の方が演奏で評価されるということはもちろんのことですが、こうした社会貢献的なことが評価されるということは本当に素晴らしいことです。
小川: 実はギルドホール音楽院の学長からお手紙が届いたときには、何かお咎めがあるのかと思ってしまったんです。レッスン数が足りなかったかな?と(笑) ですからフェローの授与は大変驚きました。「ジェイミーのコンサート」は、今年2月にロンドンで行われる国際学会でもその成果を発表することになっています。
市長: 「音楽の力」を証明するようなコンサートですよね。視点が非常に先駆的です。当事者だけでなく、その周りの方に目が行くというのはなかなか難しいことです。その視点を大切にし、続けていらっしゃるということから、我々も学ぶことがたくさんあります。
小川: 3回続けば上出来と言われていた「ジェイミーのコンサート」が、16回も続いたということは非常に感慨深いです。
自閉症の子どもがいる家庭でホームステイをした経験がありますので、「私はジェイミーママです」というだけで、来られた方ともコミュニケーションがすぐに取れるんですよ。「あなたの苦労を、私はわかっていますよ」ということを、言葉を交わさなくても顔を見合わせただけで気持ちを共有できます。
2012年のロンドンパラリンピック閉会式の際に、コメンテーターの方がこんなことをおっしゃっていました―「パラリンピックを見て、私も参加したいと考えた方々も多いでしょう。もしそうした思いを持ったなら、いますぐあなたのそばにいる人に相談してください」―これは、障がい当事者の方々には常に寄り添っている人が必ずいるということなんですね。当事者の支援だけでなく、その周りにもたくさんの人がいる。その方々にも目を向けることが大切だということは、私がやっていることが間違いではないという確信になりました。
市長: こうした発想は、ぜひ川崎市の中でも取り入れていきたいと考えます。
小川: ところで、実はいまロンドン市では新しいコンサートホールを建てたいということをずっと考えていますが、そのモデルの筆頭がミューザ川崎シンフォニーホールなんだそうです。ロンドンでは大きな影響力を持っている世界的指揮者のサー・サイモン・ラトルがミューザの音響を非常に気に入っていますし、会議でも何度もミューザの名前がでるほどだということです。ラトルの指示により、昨年ロンドンからもミューザに視察団がきたんですよ。
市長: ええ!?それは驚きですね
小川: ロンドンではミューザは有名になっているんですよ!
市長: それは小川さんのおかげなのではありませんか?(笑)
ミューザのホールアドバイザー以上の役割を果たしていただいていますね。
小川: いえいえ、私だけではありません。川崎が素晴らしい都市だということが伝わっているんです。2020年には、イギリスのチームも川崎に来ますしね。
市長: 本当にうれしいことです。東京交響楽団音楽監督のジョナサン・ノットさんとも、何かできないかとお話ししているところです。
小川: それは楽しみですね。
—–2月5日(月)於 川崎市役所第3庁舎 市長応接室
☆チケット好評発売中!☆
第16回 ジェイミーのコンサート~小川典子が自閉症者とそのご家族に贈る特別なひととき~
2018年 4月19日 (木) 11:00開演
ミューザ川崎シンフォニーホール4F 市民交流室
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お問合せ・チケットお申込み:アーツ・アイランド 電話 03-6914-0353
※ミューザ川崎シンフォニーホールチケットセンターでのお取り扱いはございません。